中高年齢者に起こりやすい症状

症状
生まれつき角膜と虹彩の距離が近い人や、虹彩炎、糖尿病、眼底出血などの既往のある人
激しい眼の痛みや頭痛を生じます。時には吐き気を生じることもあります。

病名 緑内障

日本人の失明原因の第一位は糖尿病であることは前回に述べました。2番目に多い失明原因は網膜色素変性症と言われる進行性の病気です。この病気は夜盲症を主訴として発症し、徐々に視野が狭くなり、ついにはまん中まで見えなくなってしまうこともあります。この病気は未だ確立された治療法がありません。
3番目に多い中途失明の原因は緑内障です。緑内障は古くから「いしそこひ」あるいは「うみそこひ」と言われ、一般には眼が硬くなる(眼圧が高くなる)ことによって、ものを見るための大切な神経線維が障害される病気と考えられています。急に眼圧が高くなると眼がかすみ、激しい眼の痛みや頭痛を生じます。時には吐き気を生じることもあります。これは急性緑内障発作と呼ばれていますが、夜間に発症することが多く、我慢をしていると夜明け頃までに痛みは弱まりますが、網膜の神経線維に不可逆的な障害を生じ、視力低下は戻らなくなってしまいます。救急で眼科を受診し、眼圧を下げる治療を受ければ、視力障害は防げます。生まれつき角膜と虹彩の距離が近い人や、虹彩炎、糖尿病、眼底出血などの既往のある人では特に注意が必要です。
徐々に眼圧が上昇する慢性の緑内障もあります。この場合は自覚症状に乏しく、自覚症状が出現した時にはかなり進行した状態になっています。成人病検診での検出率が高く、眼底検査で視神経乳頭陥凹という所見を呈します。生まれつき視神経乳頭陥凹を呈している人も多いのですが、精密眼底検査や精密視野検査および精密眼圧測定を行うことによって、緑内障と区別することが出来ます。自覚症状が出現する前に発見されれば、その後治療を続けることによって、進行を抑えることが出来ます。最近では眼圧が高くない慢性の緑内障も報告されており、緑内障の考え方も少しずつ変わってきておりますが、早期発見が失明予防の鍵と言えます。この疾患にも、やはり成人病検診が重要な役割を果たしています。